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認知症の母

懸賞 2011年 08月 31日 懸賞

久しぶりに認知症の母に会いに行ってきた。
東と西、車を持たない私はバスに乗り換えて、時間をかけて会いに行く。
雨が降る予想だったので傘を持参。
施設の病院は新しく綺麗になっていた。
病室での母は眠っていた、介護士さんがお世話をしていた。
顔を見るとふっくらして顔色もよく綺麗な顔していた。
病院が新しくなったせいかお世話が行き届いてるのがよくわかる。
前は食事をとる事が出来たけど、今はもう流動食に変わっていて自分で食事をとる事は出来なくなっていた。
今までも、私の事もわかる時とわからない時があって、わからない時はどちら様?と言いながらきつい目で怒ってる時もあった。
そんな時は悲しくてどっと疲れが出たのを覚えています。
今日は、声をかけると私をじっと見ている。。
介護士さんの話では、しゃべる事もほとんどないそうです。
「ごめんね、なかなか会いに来れなくてごめんね。。」
ひたすら、謝る私。。。
母はもう私の事はわからない様子。。
ただ、天使のような澄んだまなざしでじっと私をみつめてる。。
優しい母のまなざしを見ていたら、ポロポロと涙がでて止まらない。。(ρ_;)ぐすん
私は母の髪をなで、そっと頬をさわりました。
子供の頃、病気で熱が高く苦しい時、母は髪をなでて優しく頬をなでてくれた。。
その頃の母さんを思い出して母の頬をなでると、私を優しい目でじっと見つめる母。。
私はこぼれる涙で一杯になりながら、天使のようなまなざしの母をみつめました。。
そんな母がとてもいとおしく思え、そんな自分に驚いてる私自身がいました。

介護士さんに手を拭くお手伝いをして下さいといわれ、点滴をはずさないための手袋をはずしました
両手はタオルをしっかり握ってる状態。
手は固まったまま余り開かなかった。
これ以上固まらない様にタオルを握らせていると介護士さんが説明してくれた。
温めたタオルで母の手と指を拭いた。。
私はまた、涙がポロポロ。。
元気な頃は頑固で気が強かった母。。
必死で働いて、私が結婚してからは仕事が終わると両手に沢山のお土産を抱えて私の家に泊まりによく来ました。。
鮭やたらこ野菜など家計の助けになる物を冷蔵庫に一杯詰めてくれました。
子供が小さくて専業主婦だった私は家計の面でも随分助けられました。。
私が高熱を出した時もとんできてくれ子供の面倒や熱で動けない私を看病してくれた事など思い出しました。
今はしゃべれない、動けない。。。食べられない。。固まりつつあるうごかない両手。。
ただ、寝てるだけの。。そんな母を見るのが辛かった。。。

帰り際「又来るからね」と言いながら母の頬をなで病室を後にしました。

帰り道、私の心の中と一緒で。。土砂降りの雨。。。057.gif
そんな中でも母の天使の様な優しいまなざしが、ホッコリと私の胸の中に残りました。

by kasumisou902 | 2011-08-31 11:59 | その他

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